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高回転は焼付きが怖いんだよね~

サビ取りのまとめ と 水分除去の方法について

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今回のまとめ!

今回のサビ取りでまず問題になったのは、タンク上部にサンポールガス(SPG)が溜まる事で空間が出来てしまい
SPがタンク上面に接触出来ない事で、他の部分とサビ取りの効果に差が出きてしまう事だった。
リン酸処理工程を得ても尚、タンク上面にサビが残ってしまう…こんな事を何度も繰り返し、タンク上面のサビに苦しめられた!
SP処理中タンク上面にガスが溜まる事は良く知られており、SPを使ったサビ取りではよく問題になる。
ネットで調べると注射器やスポイトを使ってSPGを吸出す例がよく見られるが、SPGは直ぐに溜まるので継続して自動的に処理できる方法が望ましいのは明らかだった。
お陰で朝になると、このSPGが原因で何度も玄関がサンポールの海になった。
私はこの問題を解決する為、SPG自動抜取り装置を考案し、以降タンク上面へのSP常時接触が可能になった。
サビ取り効果に関しては、タンク上面とそれ以外の部分との差を縮める事が出来るようになったと思う。
今回のサビ取りでは、当初SPの漬け込み時間を長くする事でサビ取り効果を得ようと考えていたが
最終時のSPサビ取り過程に於いて、加温を行うと、最も効果がある事が解った (常識ですが…笑)
SPの加温と、常時接触が出来れば、物理的(チェーン、砂)なサビを落しの方法を用いなくても、十分サビ落しが可能と思われます。

イメージ 1SP加温すると、サビ取り効果、即効性が共に良くなるので、作業時間が短縮されていれば、給油口周りの塗装も、もしかしたら?ここまで酷く剥がれずに済んだのかもしれない…
だが、加温した方が良い事を解っていながら実行しなかった事がそもそもの原因!
塗装剥がれは、その代償?かも知れない…
→無残に塗装の剥がれた給油口周り…(涙)
だが、古い塗装が原因と言うよりは、既にサビが発生していた所にSPが浸透しサビを溶かした後、乾き始めた所にサビが再び発生!この繰り返しによって塗装が剥がされていった感が強い。
今回のサビ取りは、給油口周りのサビをリン酸で常時サビ取り行いながらの作業となった。
ここはSPの影響で直ぐ錆びてくるので、旨い防錆方法を今後の為にも考えて置いた方が良さそうだ。

イメージ 3加温の方法は、押入れケースに水を張り、ヒーターでお湯にした物の中にタンクを漬けてタンク内のSPの温度を上げていた。

サビ取りの工程(最終時)

①脱脂洗浄、(洗剤の溶液を投入 )
②除錆、   (サンポール処理)
③中和処理  (アルカリ水溶液投入)
④すすぎ(水洗)
④リン酸皮膜処理 (サビ除去を含む)
⑤すすぎ(水洗)
⑥水抜き剤投入攪拌 (水分の乳化)
⑦(ガソリン+2ストオイル投入攪拌)×2回

サビ取り工程の中で最も重要なのは、SP処理後の中和処理から防錆処理までの工程で、SP使用によるサビ取りでは、この間の工程の出来がカギになる!
サンポールのサビ取りの力は、言うまで無く協力だが、サビ取り後の処理を行わないとあっという間に錆びてしまうのである。
本来、サビ取り剤としての使用を前提とした商品では無い為、当然ながら防錆性が無い事がその理由である。
まず希塩酸であるSPの中和処理が必要となるが、SP処理工程終了後、SP取出し、中和剤投入と、一連の作業もすばやく行う必要がある!
SP処理後のタンク内表面は、剥き出しの鉄の状態であり、酸素による酸化に対して無防備な状態と言える。
空気中と水分中に溶け込んでいる酸素によって酸化が始まり、直ぐにサビが発生してしまう。
wikipedia:錆

また、中和剤の選定では、当初一般的な中性洗剤を使用していたが、より強力なアルカリ中和剤として、サビ取り終盤でセスキ炭酸ソーダを使っている。
当初、このアルカリ剤には重曹を使用するつもりでいたので、次回のサビ取り?では是非使用してみたいと思う…
身近なアルカリ剤のpHとしては、重曹はpH8.2、セスキ炭酸ソーダはpH9.8、炭酸ソーダはpH11.2と高いので脱脂力も強い。
重曹は、水溶液にした後、65度以上で沸騰させると熱分解されて、炭酸ソーダを作る事が出来る。
因みに、防錆性に関して後日の調べで、このアルカリ水溶液はpH10-13が特に錆を防ぐらしく、pH8以上でないと逆に酸化を進めてしまうらしい。約5%のナトリウム水溶液?との事。
中和処理能力と共に防錆性に関しても、炭酸ソーダのpH11.2が、最も能力が高い事になる。
だが普通、中和処理の為に1日漬け込むなんて事は無いので、中和処理中の酸化防止まで考える必要は無いのだろうと思う・・・

話を工程に戻す。
SPを押入ケースに出した後、すばやく中和剤を投入するが、まずタンクへ半分ほど入れて、中に残っているSPを洗う感じでタンクを良く振った後、空気抜きを付けた状態で、タンク上面まで中和剤を投入する。
今回の中和処理は、1日漬け込んでしまったが、流石に長過ぎたようで、うっすらとだが、またサビが出てしまった…(汗)
アルカリ水溶液にもサビが溶け出したようで、茶色くなっていた。
この時サビが出た原因は、漬け込み過ぎが原因なのは間違いないが、中和剤のpHも関係したかもしれない…
アルカリのpHは、高い方が水溶液中の酸素濃度が下がるので、防錆性が上がるためだ!
また失敗か…?と思いながら、水洗いの後リン酸処理の為、ラストリムーバーを1リットル投入。
タンク内面全面にリン酸を接触させる為に、タンクを良く振ると、うっすらと出ていたサビを消す事が出来た。
再び中和処理の為にアルカリ剤を半分ほど投入し、タンクを良く振ります。
その後、水洗いを行うが、問題はここからだ。

前回もここまでは順調だったが、この後の防錆処理が不十分だった為、直ぐサビが出てしまい、再び脱脂、SP再投入となってしまった…(涙)
この時の防錆処理では、水分が在っても浸透力のある定番の?クレ666をスプレーしていた。
だが、この方法ではタンク内全面へ均等に油分を付着させる事が難しい事が解った(吹きが足りなかった可能性はある…)
私はこれに変わる、タンク内の水分除去方法を考えていた。
タンク内に666を大量に投入してタンクを振り回す事が出来れば可能だが、現実的ではない。
要するに666と同じように水と油分を混合させる事が出来ればよいのだが…
そこで思い浮かんだのが、水抜き剤だった。
水抜き剤の主成分はアルコールで、水と油分の両方に混ぜる事ができる。
調べてみると、市販の強力サビ取り剤の解説で、タンク錆取りのコツと称し、水分除去の方法に水抜き剤の使用を推奨していた。以外に良く行われている方法なのかも知れない?
まあ、一寸考えれば誰でも思いつく方法ではある…
水抜き剤は、近くのホームセンターで2本購入(125円×2)

水分除去の工程としては、まずタンク内の水分をなるべく吸い取り、その上で水抜き剤を投入、タンクを良く振りタンク内に残る水分との乳化を促進させる。
更にガソリン、2ストオイルと、順次投入、その都度攪拌を行い、排出する!
今回はこの作業を2度に分けて行った後、防錆処理完了とした。
理屈では、この後直ぐ走行を行い、混合された水分を燃焼させるてしまうのが望ましい事になる。