AIRCOOLED/RD

高回転は焼付きが怖いんだよね~

最適な点火時期の為に、プロジェクトスタート?

RDの点火系は、点火時期が固定です。
つまり、進角しません…

RDの点火時期は・・・↓


角タンク: 250:BTDC2.0±0.15、400:BTDC2.3±0.15
最 終 型: 250:BTDC2.4±0.15、400:BTDC2.0±0.15

因みに、350の点火時期は、ピストンストロークとコンロッド長(中心間距離)が同じなので250と同じです。

最終型で、点火系がバッテリーポイント点火から、フラマグCDI点火に進化し、高回転時の安定した点火を手に入れましたが、点火時期については、変わらす固定(RZまで)のままでした。
RDはこれが普通なのであり、同じく進角無しのRZまで、排気デバイスを持たないパワーバンドを境に豹変する2段ロケットは、ヤマハマジックとなり、2ストロークの面白さを間違いなく演出(結果的に?)していたと思う。
2段ロケットと言うと、低速で乗りにくいと言うイメージになってしまうが、個人的にはRDが低速で乗りにくいと思った事は無い・・?
だが、此の点については、乗り方も含め、私自身がなれてしまった事が大きいのかもしれない??

今回のプロジェクトは、この点火時期を自在に設定出来るようにすると言う事です!

2サイクルの点火時期には、遅角と言うのがある!!
正確には、アイドリングからは進角が始まり、2000~3000回転で最大進角になり、後は遅角していくのが2サイクルの点火カーブです。
2サイクルの点火カーブは、4ストロークとはかなり違いますが、近年では4ストも、燃焼速度が早まる関係で高回転では遅角させています。
ストロークもこの点では同じで、チャンバーの効果もあり高回転で充填効率が大幅に改善する為、燃焼速度の早まり傾向はより顕著であると言われています。
このような理由から、点火系をマイコンでデジタルに進角させるようになり、点火時期を細かく制御するのが常識になってきました!

ストロークの点火時期には、チャンバーの排気脈動同調のタイミングをコントロールすると言う役目がある。
排気脈動の同調ポイントについては、チャンバーの仕様によるところが大きいのだが、チャンバー内の温度をコントロールする事で、同じチャンバーであっても、ある程度、低回転、高回転よりに同調するタイミングをずらす事が出来る。

高回転時は、点火時期を遅らせる(遅角)事で燃焼温度が下がり、排気温度が上がる事で、チャンバー内の温度を高温に保ち、排気圧の反射を高回転に合わせてタイミングを早める事が出来るのである。
逆に低回転では、点火時期を早める(進角)事で燃焼温度が上がり、排気温度が下がる事で、低回転よりに排気脈動の同調タイミングを合わせる事が出来る。

RDは、この点火時期が固定なので、パワーバンド内ではチャンバーその物の同調ポイントが存在する。
低回転域でも排気脈動が減衰しながらも往復し、同調するポイントがあり、その部分でもある程度のトルクが期待出来ると言われている。
このどちらの同調ポイントとも合わない回転域がある、2サイクルに付き物のトルクの谷である。
更にRDは、低回転域で進角が行われない為に、低回転域でのトルクを失った状態が存在している事になる。

RDの点火時期は、高回転と低回転どちらにも不都合が無い、中間を狙った点火時期と言える。
要するに、RDの固定進角は、内燃機関の理想的な点火としては妥協の産物と言う事になります。

点火時期については、進角をデジタルでコントロール出来れば、この失っている低速トルクを手に入れる事が出来るのではないかと、以前から考えていました!
2サイクルは毎回爆発で、4ストロークのような冷却出来る工程が存在しない為、熱的に厳しい内燃機関です。
空冷のRDにとって冷却は、大きな問題で、シリンダーの歪み、高回転でのデトネーション、吸気温度上昇による充填効率の低下、等を引き起こし、パワーダウン、焼付き等、トラブルのリスクを上げる原因になる。
高回転で長時間回さない、圧縮比を上げすぎない、進角させ過ぎない、燃調を薄くし過ぎない(特に高回転)、オイルの混合比、等がトラブル回避の条件と思う?…

RDの点火時期は、どちらかと言うと?低回転重視の設定だと思う…
RDの点火時期は固定であるが故、高回転域では逆に点火時期が進み過ぎているのではないか?
因みに…
現在、角タンクの点火時期は、ダイヤルゲージで上始点前1.8±0.15に合わせてある。
低回転域では、パワーの面で不利になるが、高回転域を優先した設定にした。
逆に、アイドリングなどは、安定する方向になるが、高回転域では、出来ればもっと点火時期を遅らせたいのだが…
高回転時デジタルで点火時期を遅角出来れば、燃焼温度が下がる事で、焼き付きやデトネーションのリスク(過早着火防止)も少し下げる事が出来ると思う。
パワー重視にしたければ進角させれば良いだけです。
だが…回しすぎない事が最も重要で、自分を如何に自制出来るか?と言うことでもある…(笑)
焼き付き等のトラブルは、基本のキャブセティング等も関係してくるので複雑になる…
ストリートでベストの場合、高回転を多用すると特にリスクが高まると思う。

進角をデジタルでコントロールする為には、現在の2IG-DC-CDIのトリガー回路にECUを割込ませる事で、点火時期をコントロールする事が出来るようになります。
マイクロコンピューターのプログラムを書き変える事でどんな点火カーブも自在に作る事が出来るようになる訳です!
ですが、現在の私にはプログラムを作るスキルが全く無い為に、今までは敷居の高い領域でした。
でもこの度、Tochinさんの協力の元、このプロジェクトをスタートさせる事にしました。
点火時期のコントローラーを作るにあったって、自作派としてはコンピュータープログラムの壁は避けて通れないので、腹を決めてカンバリマス!!

とは言ったものの…

正直言って、完成するのか?全く想像すら出来ません…(爆)

目標としては?春の大観山ミーティングまでには完成させたいな~と思う!


※表現や記述に関して認識の違いを生む可能性があります。
※記事の内容は点火、着火に着目したもので、燃調との関係は考慮していません。